音声系NWエンジニアの自宅ラボ ~電話機、CML、Starlink、Cloudflareがある暮らし~
2024-12-20 00:05 JST(UTC+9)
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**本記事は社内のアドベントカレンダー2024用に作成した記事です。

みなさんこんにちは。突然ですがみなさんは 自宅ラボ をお持ちでしょうか。
自宅ラボとはその名の通り自宅にある検証環境のことを言います。
定義はあいまいですが”普通の家には無いようなもの”があって、それを使って自己研鑽に勤しんでいる方は自宅ラボありに該当すると勝手に思っています。誤家庭 ともいうようですね。
私も日頃専門にしている クラウドコミュニケーション系(主に音声系) を中心とした自宅ラボを構築してしまっています。
今日はそのことについてご紹介しようと思います。
担当前夜に書いているため品質はご了承くださいませ。
(ちょっと前に LinkedIn に投稿したら思ったより反応があったので今年のカレンダーネタにしました。毎年なんか書くで参加表明しつつ、忙殺されてギリギリまでネタに困っています。)

・目次

  1. なぜ自宅ラボを持っているのか
  2. 構成要素
  3. みんな気になるお金の話(イニシャルコスト/ランニングコスト/ROI)
  4. 今後の展望

1. なぜ自宅ラボを持っているのか


はじめに明記しますが、決して自宅ラボを推奨するわけではありません。
弊社は会社として潤沢な検証環境が用意されています。これを活用しない手はないです。
私も業務に関わる検証はもちろん会社の検証環境を利用しています。(さすがに顧客情報が絡む部分は社外に持ち出せませんので)

では、なぜ自宅ラボを持つのか。
一言で表現すると、ずばりロマンです。
エンジニアたるもの日々勉強です。ドキュメントだけではなく、自分の手で実機確認したいですよね。
自分の手が届くところに、24/365 (24/7) で触れる環境が欲しいものです。
そして万が一止まっても自分以外の誰も困らない自分専用の環境。

と書きましたが、私も新人の頃は、自宅にCiscoルーターを置いてある先輩がいるという話を聞いて、
先輩すげえ!自分とは別の世界にいるんだ!といった憧れ半分、引き半分という感覚でした。
まさか数年後自分が自宅ラボを持っているとは・・・。今ではグループメンバーから”引かれる”を通り越してなんとも思われなくなっている気がします。

また、電話は音(声)が聞こえて成り立ちます。電話の面白いところですね。
自宅ラボがあることで、実際の挙動を細かく確認できます。
ふと気になった時にすぐに確認できるメリットのほかにスキルの向上・維持、資格勉強などにも役立っています。

2. 構成要素


私の自宅ラボはクラウド環境と電話機などの機器(オンプレ環境)で成り立っています。

【クラウド環境】
・Microsoft 365 テナント/Azure
 プライベート検証テナントを立ててからかれこれ4年くらい経ちます。
 それ以前はE5開発者ライセンスのテナントも持っていましたが、今はこちらに一本化してしっかりMSさんに貢いでいます。
 M365 Business Premium、Teams Phone Standard、Teams Shared Devices、Teams Premiumなどを契約しています。
 Azureはクラウド破産しないように使う時だけ使っています。

・Cloudflare (今回の押しサービス!!)
 もともとは外部DNS管理を Azure DNS から Cloudflare DNS に乗り換えてみたらすごくいいサービスだったのでドメインも引っ越しました。DNSSECにも対応しています。Good!
 独自ドメインを8つ持っており、jpドメイン以外の6つは Cloudflare Registrar に先日移管しました。jpドメインも早く対応して欲しいです!
 せっかく独自ドメインを持っているのでメールもGmailなどは使わずに運用しています。
 Cloudflare Email Routing と一部ドメインは iCloud+ をメールサーバーにしています。
 さらに、外出先からの自宅ラボへのリモートアクセス用VPNとして Cloudflare ZeroTrust も使っています。安全に自宅に乗り込める環境を構築できます。ポート開けなくて良いです。

 なんとここまで書いたドメイン以外の Cloudflare のサービスは全部無料です!太っ腹!

 さらに音声系エンジニアとしては気になる、TURNサーバー機能 (Cloudflare Calls) が最近増えました。すごいなぁ。

・レンタルサーバー
 某社のサービスをかれこれ7~8年くらい使っています。
 自分のWebサイトを立てるのはもちろん、趣味のWeb開発(素人の遊び)などでも使っています。
 VPSではなくレンタルサーバーです。VPSにしたさもあります。クラウドより安いですからね。

・Webex/Zoom
 個人用アカウントを保有しています。

・Twilio/Vonage
 音声系エンジニアなのでこの辺りも触っておこうと思って登録しました。
 が、Twilioは個人で使えなくなった・・・。

【オンプレ環境】
・NWまわり
 マンションの共用フレッツ回線が意外と速度出ているのでメイン回線に使っています。(家賃込みに甘えています)
 ただ、CGNAT が使われていて Global IPアドレスが取れないので、インターリンクの固定IPが取れるLTEも契約してデュアル回線にしています。
 そして!ほとんど使っていませんが Starlink もあります。ちょうど1年前くらいにノリで契約しました。使わないときは休止ができます。(現状ほとんど休止)
 ルーターはGL-iNETというところの GL-MT3000 を使っています。OpenWRTなので色々カスタムできて楽しいです。(ただ、OpenWRTの情報が少ない。。)
 GL-iNETはWi-Fi7に対応した新機種が予告されています。楽しみです。


・PCまわり
 メインはマウスコンピューターのBTOで組んだWindows 11 Pro デスクトップマシンです。
 そこそこのメモリを積んだのでハイパーバイザーで仮想マシンを立てています。
 サブマシンとして、最近買った M4 Mac mini (なんだかんだ初Macです!) と、年季が入ってきたSurface Laptop 2 (Win11プレビュー用) があります。

・ 仮想化まわり
 VMware Workstation Pro (無償化万歳!) を使って、
 ・Cisco Modeling Labs (CML) Personal
 ・擬似的な外線環境として FreePBX (AsteriskベースのPBXでGUI管理ができて使いやすいです)
 ・多目的用にUbuntu Server
 ・検証用のActive Directoryサーバー
 を立てています。
 CMLで 音声GW/SBCとして Catalyst 8000V を立てています。
 Cat8k を Teams Phone と Webex Calling、FreePBXにつないでいます。

・デバイスまわり
 ・電話機4台 (Yealink Teams Phone MP56/MP56 E2、Cisco IP Phone 8811/Desk Phone 9851)
 ・スマホが3台 (iPhone 14 Pro、iPhone SE 3、Pixel 8a)
 ・タブレットが2台 (iPad mini、iPad Air)
 を持っています。
 電話機たちはPoEハブを使ってPoEで電源供給しています。
 ヘッドセットは仕事用も兼ねて Jabra Evolve 2 65 Mono (片耳派です)、
 スピーカーマイクは Jabra Speak 2 / Microsoft Modern Speaker、
 4K Webカメラとして AnkerWork C310 Webcam を使っています。
 さらに、ラズパイ4、ARグラスの XREAL Air 2/Beam Pro/Beamや、スマートホーム系(主にSwitchbot)などを趣味も兼ねて使っています。
 ちなみに電話機は Voip Supply (輸入) NTT-Xストア で調達しています。
 海外から輸入する際は技適など法令対応を気にしましょう!(大事!)

 電話機たちの住居です。お納めください。


3. みんな気になるお金の話(イニシャルコスト/ランニングコスト/ROI)


 自宅ラボは正直コストがかかります。
 これから始めようと思われている方、コスト以上に何か自分として得られるものがあると思うかが鍵になります。
 一例として私がかかった(かかっている)イニシャルコストとランニングコストをご紹介します。

・イニシャルコスト:ここではハードウェア費用だけを考えます
 ・総額:約150万円 (ちりつもですね)
 ・内訳:WindowsデスクトップPC、Mac mini、スマホ、タブレット、電話機などのガジェット

・ランニングコスト:ここではサブスク費用だけを考えます
 ・総額:約2.5万円/月 (月額換算です。これもちりつもですね)
 ・内訳:M365ライセンス、ドメイン、回線、レンタルサーバー、CMLなど

 さて、これだけ自分に投資をした結果、ROI はどうなんでしょうか。
 (ちゃんとした ROI をはじくことはしないでおきます)
 個人的には上記のコストは問題ない範囲と思っています。
 自己満足にとどまらず、継続的な資格取得もでき、さらには業務でもチームの技術リードポジションとしてスキルを十二分に活かせていると判断しています。(生活も破綻していません!)
 今後も継続的にスキルを向上・維持できるように、**コストを見直しながら(大事)**自己投資していこうと思っています!

4. 今後の展望


と、少し真面目で意識が高めのことを書きましたが、結局はロマンですね。
最後につらつらと今後の展望(野望)を書いて締めたいと思います。

・固定番号(0AB-J番号)が欲しい!
 イマドキではないですが・・・。
 いえでんは引いていないですが、定期的に契約しようか悩みます。
 なんといいうか、自分の Global IP が欲しい感覚と同じように、自分の電話番号が欲しいという感じです。
 最近は おうちのでんわhomeでんわ など携帯回線を活用して固定番号を契約できるサービスもあります。(緊急発進の仕組みなどいろいろ面白いなあと思っています)

・NW周りをもう少しどうにかしたい!
 コミュニケーションシステム一筋ですが、NWの会社にいるのでそのあたりをもう少しぽくしたいですね。

・テレビ会議系も気になる!
 弊社テレビ会議系も取り扱っておりますので自宅ラボにもほしいと思っています。
 電話機より高額になる傾向があるのでハードルは高いですが。

・Visual Studio Professional サブスク気になる!
 と数年思っています。高い・・・。
 いろんなサーバーライセンスが使えたり、M365 E5/Azureクレジットも使えたり・・・。
 でも高い・・・。

・Starlinkをちゃんと検証したい!
 温泉合宿したいです。


ということで長々と失礼しました。
毎年ここまで書いて、もっと早くから準備すればよかったと思うわけでございます。
ぜひ、各分野のプロの方からの自宅ラボアドバイス(自慢)をお待ちしております!
最後までお読みいただきありがとうございます。
みなさま来年もどうぞよろしくお願いいたします。
(ぜひ、いいねをお願いします!)